TREK DOMANE SL 2020


1,2年前から「グラベル」というサイクリングスタイルが広まって,VeloOrangeでもPassHunterをはじめとするディスクブレーキを備えたスチールのツーリング用フレームが発売されています。
私の中での「グラベル」は林道など未舗装路を含むツーリングが主で,レースや大規模なイベントに参加することはほとんどありません。それで,昔ながらのスチールフレームのランドナーやキャンピング車でフェンダーを外して,林道などを走っています。これは個人的には好きなスタイルなのですが,未舗装路を走るとなるとやはりディスクブレーキにはかないません。また,カーボンフレームのグラベルツーリング車も興味があります。それで現代的なディスクブレーキを備えたグラベル用の車両を導入してみました。

私の「グラベル」スタイルは次のような感じです。
  • 舗装路はスポルティフのように快適に走りたい。装備一式で巡航速度は30kmくらい
  • 未舗装路や自転車を担ぐような林道も走る。でも無理はしない。
  • 2~3泊でキャンプツーリングに行く。UL(ウルトラライト)キャンプ用具一式
  • フレームバッグとサドルバッグ,小さ目のフロントバッグで装備一式6~7kgくらい。
  • 輪行 (電車,飛行機,船)
また,車体には次のような条件を付けました。
  • フレームのみ。コンポは後で好きなものを付けたい。むずかしければ,コンポはシマノ105クラスで,後でバラして付け替える。
  • 実効トップチューブ長は575mm~585mm
  • シートアングルは73度
  • フレームはフルカーボン
  • 車重は10kg以下(ペダル,ライト,サイコンなどは含み,バッグ,ボトルは含まない)
  • ボトルケージは3個付けたい。
  • できればフルサイズのフェンダー(泥除け)を付けてみたい。
  • もしかしたら革サドルを付けるかも。
このような条件で様々なメーカのフレームや車体を探してみました。候補に挙がったのは以下のようなものでした。
  • Cannondale  Topstone
  • Trek Checkpoint
  • Trek Domane
  • ROSE BIKE
  • Bombtrack HOOK
  • Simplon Inissio
  • OPEN Cycle WI.DE Turq
  • RIDLEY Kanzo Speed
  • (参考)Enigma(フレームがスチール)
  • その他,シクロクロス用バイクなど
私はカンパニョーロ(Campagnolo)のErgoPower(エルゴパワー)を使いたいので,グラベル系の完成車では存在しないです。ディレイラーやクランクは,あまりこだわりはありません。なので,希望をできるだけ満たしてくれそうな車体で,見た目が「レーシー」すぎるものやフロントフォークにキャリヤ用のダボがゴテゴテ付いているものは対象外にしました。それで最後まで悩んだのが以下の2台。
BACKROADは2018年頃に発表されたモデルらしく(定かではない),BBはBB386です。コンポはSRAM/シマノから選べ,フレームサイズ,ハンドル,ステム,ホイールなども選択できます。カラーは2種類から選べます。コンポでシマノのGRXを選べるのは魅力的ではあります。標準はフロントシングルですが,フロントダブルにすることも可能。フロントをダブル/シングルの両方で使いたい場合は,最初からフロントダブルにしないと,フロントディレイラーを後から付けることができません。おそらくCUBEのフロントディレイラーマウントを付けられると思いますが未確認。他には特殊なパーツも無いようです。

もともとパリ-ルーベなどのパべを走るレース用に開発された自転車で,振動吸収のIsoSpeedを備えています。SLRはシートポストチューブから独立したIsoSpeedを備えています。SL6/SL5クラスならシートチューブはノーマルで柔軟性のあるカーボンです。重量が重くなるのは気になりますが,目立たないフェンダーダボもついています。ただ,カタログでは60サイズがちょうど良いサイズですが,SL5/SL6だと国内に流通しているサイズは58サイズが上限でトップチューブ長が短すぎます。シートアングルが72度というのも引っかかります。SLRであればH1.5フィットでサイズも選択できますが,SLRを選べぶつもりは毛頭ありません。
海外ではフレームのみの販売もありますが,日本国内ではフレームのみ販売は無いとのこと。また,海外からフレームのみを購入することも難しいです。


しばらく情報を収集しながら悩みました。BACKROADはデザインも好みでとても悩みましたが,独自の振動吸収機構を備えてカーボン積層も独自の方法であることなどから,Trek Domane SL5にしました。SL5にしたのは,好みのカラーがSL5しか無かったから。
  • 納期は確約できないが60サイズを入手できるとのこと。
  • シートポストのオフセットは標準で20mmだが,6mmのオプションがある。シートアングルが72度だが,オフセット6mmに変えれば73度の場合と同じポジションを設定できる。ちなみに60サイズフレームの場合,オフセットを10mm変えるとシートアングルを約1度変えられる。あとは,サドルの前後位置を合わせれば理想のポジションを設定できるはず。
  • BB規格はT47でPRAXIS WORKS製。BBシェル幅は85.5mm。T47規格のBBは,サードパーティーから入手できる。
  • ヘッドチューブ長が長いが,ヘッドセットのトップキャップをスタックハイトの低いトップキャップに変更すればなんとかなりそう。
待つこと2ヶ月で,タイトル写真のDOMANEが届きました。まだ,あまり乗っていませんが,最初の印象としては....
  • 納車時に,シートポストはオフセット6mmのショートサイズに変更。BBセンターからサドルトップまで770mm。ロングサイズだとサドルが高すぎ。
  • 標準重量はペダル無しで実測約9.87kg。ホイールやパーツを変えれば9kgくらいにはなりそう。
  • すぐに,サドルをフィジーク アンタレス(ANTARES),ステムを手持ちの適当な120mm17度に変更。ステアリングコラムスペーサを調整。でもやはりまだハンドルが高い。
  • IsoSpeedと32Cタイヤが効いているいるようで,固めのスチールバイクに近い乗り心地。レイノルズ853やKVAステンレスのフレームで28Cのタイヤを履いた感覚。
  • 直進性もよくコーナリング時のハンドリングもニュートラル。キャンピング用具一式を積載しても安定していそう。ハンドル幅が440mm。420mmに変えると感覚は変わるが。それでも乗りやすそう。
  • 標準で32Cのタイヤだが,もっと太いタイヤを履かせるとカーボンフレームのランドナーとして使えそう。
  • フェンダー固定ネジは,フロントフォーク,フォーククラウン下(裏)側,BBシェル後ろ側,シートステーのエンド側にあって,フルサイズの45mmフェンダーを付けられる。フォーククラウン下のタイヤクリアランスは標準タイヤで19mm。
  • シートステーブリッジは取り外し可能で,フェンダーを固定できる。
  • 全長56cmのフレームバッグを付けられる。
  • フレームサイズが大きいのとディスクブレーキなので,輪行袋に入れるときに工夫がいる。
これから色々試してみて,私なりのカーボンフレームのツーリングロードを作り上げてみたいと思います。

ROTORのコンピュータマウント。下側にCATEYEヘッドライトのアダプター付き

サドルはフィジーク アンタレス

 60サイズ UCI認定フレーム

BBシェル裏側

リヤディスクブレーキキャリパー 裏側

フォーククラウン下(裏)側 フェンダー固定ネジ

BBシェル後ろ側 チェーンステーの間のフェンダー固定ネジ



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